私が2.5にハマってからある俳優に失望するまで


先に書いておきますが、長くなるうえに自己満足な文章が続きますので、相当暇な時に読んでいただければと。



私が2.5の舞台に初めて行ったのはもう数年前の話。


ある俳優がテレビで一週間後に迫った主演舞台の宣伝をしているのをたまたま見て、興味本位でチケットを取った。

その時はまだ2.5次元っていう言葉がそんなに浸透していなくて、私自身その舞台が2.5次元だという認識もなかった。

その舞台は現在も続く人気マンガ原作のシリーズもの舞台の初演。

原作のファンだったし、イケメンもたくさん出るっぽいし...なんて軽い気持ちで観たのが最初。


舞台が始まって役者が出てきた瞬間、ある俳優に釘付けになった。

電流が走るとかほんとそんな感じ。ドカンって衝撃が走ってそれからその人しか見れなくなった。

それが私の初めての推し(仮にA君とする)との出会いだった。


そこからは持ち前のオタク精神で、チケ取り、グッズ集め、プレ用意までしっかりやり始め、全てのお金がそこに注ぎ込まれるようになった。

元々アイドルオタ(海外公演含めライブ全通するレベル)だったから俳優に貢ぐ事に抵抗は無かったし、界隈に溶け込むのも早かった。


そんなこんなでバッチリ2.5沼にハマった私は順調にA君へ貢ぐものの、彼はオシャレへのこだわりが強いタイプらしく、ファンからのプレはまぁ着ない。

どんなブランドあげようが好みそうなデザイン選ぼうが、彼が私のあげた服を着ている姿は結局1回しか見たことがない。(私のセンスが悪い説は拭えないけど)

まして、A君は仕事が少ない。

人気が無いわけではい。むしろ出演した舞台の中では一二を争う人気だったのではないかと思う。

1年に1舞台って感じでほとんど現場がないのだ。ファンイベや写真集発売イベも一応やってたけど、積極的にファンと交流する!って感じでもなかった。


そんな彼に少しずつフラストレーションが溜まってきたのは初めて彼を見てから1年が経とうとしてた頃。


最初に観た舞台も初演、再演と続き続編が始まっていた。

A君も続投していたし、もちろん現場に通っていたんだけども。

そこで今度は、別の俳優(以降B君とする)が気になり始める。


B君は初演から出演していたものの、正直演技下手くそ、違和感ありまくりなビジュアルであんまり好きではなかった。

でもいつも一生懸命でどんどん成長していくB君がなんだか可愛く見えるようになってしまった。


A君は天才肌タイプで、やらせれば何でも出来る運動神経抜群なイケメンだったのに対し、B君は努力家タイプ、不器用で泣き虫な弟っ子。

2人が正反対だったからか、今までA君に対して募らせていた不満を、B君は全部解消してくれた。

SNSは頻繁に更新するし、舞台は色んなジャンルにたくさん出てくれる。プレゼントは100%着てSNSに自撮りをあげてくれる。


そこからはとにかくB君の出ている舞台に通いまくった。

最前で見るために定価以上でチケットを買ったり、プレゼントは毎公演持って行った。

接触イベにも積極的に通った結果、認知もしてもらえた。


だけど私はどうしてもA君から降りることは出来なかった。A君の出ている舞台は必ず行って、着てもらえないプレゼントも持って。

正直A君にはお金を落としてもリターンが少ないことは分かっていた。舞台が終わればプライベートで海外に行って1ヶ月くらい音沙汰無いし、そもそもSNSはやってないし。

ただ、彼の演技が大好きだった。

彼の演じるキャラクターは全部生き生きして見えた。原作からそのまま飛び出てきたみたいに。

だから私は彼を完全に推さないという選択が出来なかった。


そんな日々を過ごしていたある日、私にとっての大事件が起きた。


私はある商業施設でアルバイトをしていて、芸能人なんかもよく来るんだけど、ある日同期がバタバタと私のところに走ってきた。


「〇〇さん(私)が好きなA君が来てます!」


その瞬間ドキドキして、足が震えて、どうしようどうしようって

同期は受付にいて顔をしっかり見たから、あれは多分...いや確実にそうだ!という。


次に来るのは私がいるポジション。絶対に顔を合わせる。どうしよう...なんて考えてるうちに目の前に来たのは、やっぱり、紛れもなく、あのA君だった。


それだけなら単純に嬉しい遭遇なんだけど、それだけじゃなかった。

彼の隣には、帽子を目深にかぶった女性がいた。私はそれを見て酷く絶望し、彼を推していた自分に腹が立った。


その頃のA君は2.5の仕事が少しずつ無くなり、本格的なミュージカルに出演し始めていた。

元々歌は上手だったし、彼自身将来は有名作品に出たいと言ってたから、それはとても喜ばしいことだった。


私が遭遇した時はその本格的なミュージカルに出演中で、東京公演が終わりこれから地方へ...という時期だった。

私が絶望したのは決して彼女がいたからではない。

大事な公演真っ最中、誰でも来るようなデートスポットに帽子やサングラスも着けず彼女と来たことに、絶望した。

そして何より、その女の人は公演中の舞台で共演している女優じゃないか!


私の横を通り過ぎて、その女の人の肩を抱いて楽しそうに去っていくA君の後ろ姿を見ながら、私は思わずしゃがみこんでしまった。


それからはとにかく怒りが湧く。

着てもくれない感謝もしてくれないプレゼントをあげた私の気持ちは?

1年にほとんど舞台もイベントもしないのに推し続けた私の気持ちは?

でもよく考えたら、こんなの彼にとっては何ともないことなんですよね。


だって彼は別に頼んでプレゼントを買わせたわけじゃない。

好みじゃないもの貰って嬉しくないのは当たり前だし、着るも着ないも彼の自由。

舞台は出たいものに出ればいいし、イベントも必要性を感じないならしなくたっていい。それでも付いてくるファンはいくらでもいるから。


そうなんだけど、わかってるんだけど、

A君がもっと輝けるように

もっとたくさん活躍できるように

もっと人気になるように

もっと有名になるように

私なりの応援で、ファンとして支えたいって思ってきた数年間が全て裏切られたような気持ちだった。



それからはなんかもう泥沼にハマったように、私が推す俳優が次々カノバレクズバレしていく。

見る目ない私が悪いのかもだが、最近本当につくづく思う。


2.5俳優はどんだけ浮かれてんだ!?


2.5俳優にはちゃんと自覚してほしい。あなた達はいわゆる"若手俳優"ではない。

そこまで達してない。だって舞台降りたら正直一般社会じゃ誰からも見向きされないレベルだよ?

舞台にいて、スポットライト浴びて、ウィッグ被ってカッコイイ台詞言って、

勘違いしてしまうかもしれないけど、勘違いさせているのは私たちファンなのかもしれないけど

2.5次元なんてまだフラフラした未完成の橋を小走りで渡ってるような不安定なジャンルだし、いつ無くなるかわからない。

そんなジャンルから夢を抱いて大きなステージ目指して頑張るわけじゃない?

2.5がゴールだなんて俳優きっといないと思う。(まぁ2.5をお小遣い稼ぎみたいにしてる俳優気取りは別として)


別に彼女作るなとか変な友達とつるむなとかそんなのいちいち言わないけど

"どういう付き合い方をしていくか"っていうのは本当に真剣に考えて欲しいわけで。

というかこんなのどんなジャンルのどんな芸能人も言われてると思うんだけどね。

2.5俳優って特にその辺大事だと思う。個人的に。

キャラクター背負ってるわけで。漫画とかアニメとかゲームとか色んなジャンル巻き込んで演じてるんだし、それなりに覚悟持ってやってほしい。

自分の評判だけじゃない。キャラや、作品の評判も下がる。


結局A君のその日のデートは私以外のファンにバレなかったようで、その後の目撃情報も無いので今も付き合ってるのかは知りません。

ただお仕事は2.5から抜けても同じ調子で続けているようで、この様子だと少しづつファン離れが進むんだろうなと思ってる。勝手な想像だけど。


ちなみにB君はカノバレも無く(怪しいのはあったけど)、順調にお仕事も増えて最近はテレビでも見かけるようになったから、やっぱり真摯に舞台やファンと向き合ってる子はこうやって上がっていくんだなって感じてる。


どういう風に仕事するかなんて個人の勝手。

楽しんでやればいい、自由でいい、好きなようにやればいい。

だけど俳優という仕事を選んだ以上、ファンという存在がいる以上、守るものは何か一度考えて欲しい。


最近の2.5俳優には"行動力"はあれど、"考える"という事が足りないと思う今日この頃です。